• Phone0772725261
  • Address京都府京丹後市網野町網野367
  • Open Hours9:00~17:00
  • Phone0772725261
  • Address京都府京丹後市網野町網野367
  • Open Hours9:00~17:00

令和5年度Tango Good Goods認定状況について

令和5年度のTango Good Goods認定状況について

今年度の応募商品については応募者39業者、応募商品数64点の応募がありました。なお、6月27日(火)・28日(水)に実施した令和5年度Tango Good Goods認定審査会において審査委員から推奨されました丹後産品について「Tango Good Goods認定推進員会」で協議した結果、今年度は認定39業者64点を認定しました。

令和5年度優秀産品の紹介

令和5年度の優秀産品は、下記6点が選ばれました。優れている点等のコメントをまとめておりますのでご確認下さい。

商品名業者名評価ポイント
旨米鯖 鯖MISOリエットHISAMI KYOTO 丹後の伝統食「鯖のへしこ」を発酵食品の良さを残しつつ、減塩志向の時代に合わせ、研究を重ねて誰もが食べやすい旨味に特化した糠漬け鯖を「旨米鯖‐umaisaba」と命名し、和食や洋食に合う商品を展開しています。
 今回は白味噌、粒マスタード、バターを合わせ、へしこの食感を残したリエット風の商品で、絶妙に調整された塩味が料理と合わせた時のイメージを湧きたてます。
 旨米鯖を統一デザインにしたブランディングは、パッケージデザイン力も高く、幅広い年代に楽しんてもらえる商品展開とマッチしており、伝統食を継承、発展させていく取り組みを評価しました。
琴引の水塩西晶株式会社 琴引浜の海水を丹念に炊き上げて造る琴引の塩。その製造過程でできる濃縮海水塩を商品化。塩水と違い海水中のミネラルがそのまま残り、液体なので程よい塩加減で減塩志向にもマッチしています。
 スプレータイプは、ムラなく味付けができて利便性が高い。
 濃縮海水塩の商品はこれまで丹後には無く、料理人からの強い要望で生まれた商品で、今後BtoBとしても期待がもてる商品となっています。
甘いも天天富 京丹後産さつま芋(紅はるか)を熟成し、甘さを最大限に引き出した天ぷらを真空包装で冷凍流通を可能にした商品。店頭対面販売から加工食品へ業態を転換したことにより、幅広い販路開拓が期待できます。
 味も「さつま芋」本来の甘味と外はカリカリとした食感で、惣菜としてもおやつとしても楽しめます。
 地元農家と提携した地域活性化の取り組みや、今後の販路に合わせた味のバリエーション、容量バリエーションの展開、また、海外輸出など幅広い販路が期待できる商品となっています。
いちごバター上羽農園 地元産イチゴを使用したジャムはたくさんありますが、研究を重ねて丹後では珍しい「いちごバター」に取り組んだ意欲的な商品。味を吟味し酸味と甘味のバランスが良い「紅ほっぺ」と華やかな香りの「かおり野」の2種類のイチゴを使用し、隠し味に琴引の塩を使用するなど、完成までの苦労が伺えます。
 味も甘みと程よい塩味で、ホテルの朝食など幅広い販路が期待できる商品となっています。
OYAOYA(乾燥野菜)株式会社田園紳士 これまでの乾燥野菜のイメージを一新するおしゃれなパッケージデザインが目を引く商品となっています。
 提携農家は無農薬・特別栽培で、規格外野菜を有効活用するため、農家の意見を聞きながら商品開発に取り組み、また、加工は障害者福祉施設に依頼するなど地域活性化も意識されており、さらには使用例をパッケージのQRコードから案内するなどパッケージングも含めた完成度の高さ、海外輸出や飲食店などのBtoBの販路も期待できる点を評価しました。
京丹後せんべいウミノ食品 京丹後産や近海の海産物をプレスしたせんべい。プレスタイプの焼き機を使用することで素材の食感や味が濃厚で、いろいろな種類のせんべいが期待できます。
 中でもコッペガニを使用したせんべいは全国的にも珍しく、自社で丁寧に身をほぐし、風味や香りを重視して蟹身をふんだんに入れるなど素材を全面に押し出した製法で、開発コンセプトである「京丹後市を代表する海産物を美味しく、広範囲に広め、長期間楽しめる商品づくり」が具現化しています。
 シリーズ展開を見越したパッケージデザインで、店頭で並べて陳列できればインパクトもあり、化粧箱に入れて贈答品とするなど販路開拓が期待できる商品となっています。

令和5年度Tango Good Goods認定審査講評について

○小畑審査員
(主な審査担当部門 マーケティング)

この審査会に参加させていただき数年経ちますが、アイディアがたくさん詰まった商品は多くありますが、まだまだ「出口戦略」や「マーケットイン」の考えを基に作られた商品が少ないと感じています。「誰に食べてもらうのか」「どこで売るのか」等の部分を最初にある程度決めて「ものづくり」をしないとアピールする部分がブレるというのはよくある話です。

今回であれば、Tango Good Goodsの応募票を拝見しながら審査をしましたが、応募された多くの商品は地元の道の駅で販売という商品が多かったです。

道の駅で販売される場合ですが、道の駅には観光客(国内外)の方が多く来られており、近年は海外の白人系の観光客が顕著に増えてきており、今後は中国人が増えてくると予想されています。そうした時に海外の観光客にターゲットを絞って販売すると考えると、商品は日本語の商品を買って帰るという統計がありますのでパッケージは日本語のままでいいですが、その商品の特徴はPOP等で英語表記したものを用意すると手に取ってもらいやすいし、地域の紹介等も添えるとおもてなしにもなって、外国人からすると特別感を感じて購入に繋がります。食べ物に関してはホテルで食べるというケースが多くありますので、食べ方などもPOPに添えると親切です。

このように、外国人に売ろうと思うだけでも見えてくるものがあると思います。「その人に対してどんなことをすれば手にしてもらえるのか」この部分を考えて、今後の商品開発を行ってください。

○的早審査員
(主な審査担当部門 ラベル表示・コンプライアンス)

食品表示については毎年スキルアップしており、製造メーカー様が勉強されているのが伝わってきました。今回特に目立った問題点が3点ありましたので共有させていただきます。

① 応募票の配合表には添加物やアレルギーの記載があるが、実際に商品には貼られているが、表示ラベル(別記様式)には記載されていない商品が数点ありましたので、精査をして応募表に記載されいる内容と表示ラベルが同じになるように修正をお願いします。
② 栄養成分表示が義務化になって3年が経過します。栄養成分表示はすべての商品に記載されていましたが、表示ラベル内に記載されている商品が数点ありました。これは表示法違反になりますので、表示ラベルの欄外に栄養成分表示は記載するようにしてください。
③ 食品表示内に「賞味期限:解凍後〇日以内に食べてください。」との記載がある商品がありましたが、食品表示法では「賞味期限:〇年〇月〇日」と記載することとなっており、「解凍後〇日」のような表記は食品表示ラベルの欄外に記載することになっていますので修正をお願いします。  

 以上3点が今回の審査会で目立った問題点ですので該当される方は修正をお願い致します。

○小財審査員

(主な審査担当部門デザイン、ブランディング)

今回審査会に初めて参加させていただきましたが、商品自体は良いので、パッケージを改良したら売り上げが上がるだろうと思う商品が多くて残念でした。

「商品は誰に売るのか」「どこで売るのか」を決めるだけでもパッケージデザインは全然違うものになります。道の駅等比較的販売スペースを取れる場所であればPOPで商品訴求は可能ですが、POPが置けない場所も多くありますので、どんな特徴があるのかを訴求する必要があります。商品の特徴はどんな商品にもあると思いますが、その特徴が全面にでていなパッケージが多く、今回のような地場産品であれば物語商品と呼ばれるジャンルになりますが、この商品を作るまでにプロセスが重要で、作るまでに想いがたくさん詰まった商品ばかりだと思います。

そのプロセスを紐解くとキーワードはたくさんでてきますので、そのキーワードの中で一番強いものを商品名にしたり、キャッチフレーズに入れたりすることで拘りが伝わる商品ができます。

お客さんは商品を手に取るのにどんな商品でも一瞬しか見ませんので、その一瞬で手にしていただくようにするための第一印象が重要です。 また、今回随分と歴史を感じるパッケージもありましたので、印刷物が残っているという理由であれば、今の時代にあったパッケージに刷新することで売り上げUPも望めますし、ターゲット層の拡大も考えられます。

「中身がいいからデザインはこれでいい」とか「昔からこれだから」ということではなく、競合調査等もしっかりされて、類似商品で売れているパッケージの商品を調査されれば良いデザインのものが見えてきます。売り上げUPのためにデザインの刷新をご一考いただければと強く感じました。

○日暮審査員(バイヤー審査員)

初めて参加させていただきましたが、全体として「もの」はしっかり作られていて味は美味しい商品や雑貨であればこの部分に拘って作ってるんだなと思う商品が多かったです。

ただ、その良さが伝わりづらく、紐解いていかないと意図が伝わらない商品が多かったので勿体ないと思う商品が多かったです。

「売れる商品」というのは商品の良さがお客様に明確に伝わっています。商品がたくさん並んでいて、見た瞬間にいいなと思うような商品は魅力や商品の良さ・特徴・売りポイントが伝わっている商品で、そのような商品が売れていますので、そういった視点でみると勿体ないなと思う商品が多かったです。食べたら美味しいのに見せ方が間違っていたり、そもそも見せ方を考えていないと思う商品も多くありました。

「誰に食べてほしいのか」「誰に使ってほしいのか」を明確化する事というのはよく言われているし、よく聞かれていると思いますが、この基礎的部分が抜けている商品が多いのが実情で、これに一つ足すと「どこで売ってほしいのか」この三つを意識すれば良い商品ができると思います。売り場一つ見てもこの商品は売れているだろうな、この商品は売れないだろうなとか思う事はあると思います。売れていると思えるような商品を観察して想いが伝わる商品開発に取り組んでいただきたいです。

一つ例をあげると「鯖のへしこ」という商品があったんですが、この商品は米麹を使ってへしこを作られていて、マイルドに仕上がって美味しかったんですが、パッケージには「鯖へしこ」としか書いていないので、パッケージだけ見ると「塩辛いへしこ」をイメージしてしまうので、

「米麹を使った食べやすいへしこ」になっているという自分達のウリポイントに気付いていないと思います。このウリポイントを見直して「誰にどこで買ってもらいたいのか」と「その人達になにを伝えるべきか」を意識して今後の商品開発をしていただきたいと思いました。

○大野審査員(審査員バイヤー)

地元以外で販売していく場合は、パッケージをもっと小さくした方が良いという部分であったり、この添加物は使用しない方が良いというのがありますので、東京で販売していきたいとお考えの場合は、そのあたりも意識した商品作りをされたら良いかと思いました。

パッケージに関しては実際にどんな棚で販売されるのかを見ていただくのが一番良くわかりますので、都内で販売されたい場合は展示会の帰り等にでも少し、時間を取って拘りのセレクトショップを数件見て回るだけで、どんな商品を作らないといけないかがわかると思います。

地元の人や道の駅で商品を販売して、多くの人に喜んでいただいているとは思いますが、美味しい商品を作る技術があるのであれば、もっと多くの方に喜んでもらって、もっと売り上げをつくって収入を増やしていけると思える商品もあったので、販路開拓を目指している方たちはパッケージ、量目、添加物等を今一度整理して商品開発していただければと思いました。