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令和3年度Tango Good Goods認定状況について

令和3年度のTango Good Goods認定状況について

今年度の応募商品については応募者39業者、応募商品数62点の応募がありました。また、6月29・30日に実施した令和3年度TangoGood Goods認定審査会において審査委員から推奨されました丹後産品について「Tango Good Goods認定推進員会」で協議した結果、今年度は認定39業者62点を認定しました。

令和3年度優秀産品の紹介

令和3年度の優秀産品は下記4点が選ばれました。優れている点等のコメントをまとめておりますのでご確認下さい。

商品名業者名評価ポイント
サーディンソースビオラビッツ株式会社これまで丹後にはなかった調味料「魚醤」を商品化。大豆を発酵させて醤油を作るように、魚を発酵させて作る魚醤。丹後産カタクチイワシを発酵させて、1年かけて熟成させた商品。イワシの旨味がありながらも生臭くなく、炒めものにも合う調味料で、素材のこだわりと、新しい取り組み、商品化までのブラッシュアップは商品開発の範となる商品です。  また、調味料は海外取引に最も注目される商品群で、今後の販路拡大が期待されます。
酒ひしを小野甚味噌醤油醸造株式会社2年醸造の再仕込醤油に向井酒造の「伊根満開」の酒粕をブレンドした醤油。ほんのりと日本酒の香りが立ち、醤油の旨味が引き立ちます。地元商品とのコラボレーション、醤油の新ジャンルに取り組む姿勢と新たなニーズの開拓の可能性を評価しました。
天酒大明神竹野酒造有限会社酒造りを広めた羽衣天女が祀られている京丹後市丹波地区の多久神社は明治時代まで天酒大明神と言われていました。氏子有志で「あまさか倶楽部」を結成し、酒米を育て、羽衣天女伝説を背景に醸造された物語のあるお酒です。香りが豊かでパンチのある飲み口で、ラベルにも丁寧に羽衣天女の伝説や商品説明がされ、商品としての完成度も高く、地域おこしの取組も評価しました。
特別純米酒 銀シャリ白杉酒造株式会社丹後産ササニシキを100%使用した全国でも珍しい純米酒。料理を邪魔しないスッキリとした味わいで「お寿司のシャリのように料理を引き立てる最高の食中酒をつくりたい」という明確な商品コンセプトが見事に具現化され、ラベルにも丁寧に商品説明がされています。消費者にどのように味わってほしいか、使用シーンをイメージさせる商品開発はものづくりの範となる点を評価しました。

令和3年度Tango Good Goods認定審査講評について

商品開発をする際には販売する場所を抑え、「誰に」「どこで」販売するのか!

○小畑審査員
(主な審査担当部門 マーケティング)

専門は食品の商品開発や販路開拓になりますが、今回初めて参加させていただき、素晴らしい食材、加工技術や文化を感じさせていただきました。 商品開発についてですが、商品開発をする際には販売する場所を抑え、「誰に」「どこで」販売するのかを、ある程度決めてから商品開発をしていく事が重要です。

よくある相談として、商品を作ってから、売れ行きが悪いので売ってくれないかという相談です。これでは、出来上がった商品を買ってくれるところでしか販売できないので売れる商品にはなりづらいです。 それよりも、一緒になって売れる商品づくりを考えてくれる販売店を探すことが重要です。身近でいうと、商品開発される際に例えば、天橋立のお土産屋さんのバイヤーとお話をされると思うのですが、「どの価格帯が売れるのか」「どんなものが売れるのか」「量はどのくらいが良いか」等、販売先が決まっている場合は調査することで市場とマッチした商品開発が可能となります。この、基本的な考えはどこで販売するのも同じで、高級スーパーで売りたければ、そこのバイヤーと売れ筋商品のニーズ調査を行い、自分が開発するつもりの商品とのすり合わせをしておかなければなりません。このようなすり合わせ作業は何らかの形で実施してから商品開発をしていただきたいと思います。こうすることで、店のニーズ・消費者のニーズにあった商品が生まれますので、売り先とその先を考えた商品開発をしていただきたいのが1点です。

  

商品ができれば販路開拓ということになってくるのですが、直近の大きな販路としては「海外輸出」と「EC」です。デジタル化というのは大きな流れとなってきていますので、検討していただきたいです。特に海外へ販路を求めることは、日本だけでは人口減少で販路が先細りすることが目に見えていますので、海外輸出は避けては通れないと考えています。

このような話をすると難しいからできないと思われがちですが、全部自分たちでやろうと思わず、すでに成功している商社に卸をしてテスト販売し、ニーズを抑えてから大きく踏み込むことも可能です。商社へ卸すだけですので国内取引と同じで海外のニーズ調査が可能となります。ECにしても同じことで、全部自分でやる必要はなく販売力のある商社に卸すことで容易に開始できますので難しく考えずこの2つの販路を開拓されることを目指してください。

一番重量の多い原材料の原料原産地を必ず記載すること!

○的早審査員
(主な審査担当部門 ラベル表示・コンプライアンス)

この審査会への参加は6年程前からになりますが、食品表示について当時は100点満点で60点程度の商品が多かったですが、現在は皆様よく勉強されていて95点程度になっています。また、令和2年4月1日より新しい食品表示法が完全施行されて、1年が経過した段階でどの程度、食品表示法が浸透しているかを注意し拝見させていただきました。 何点か例をあげさせていただくと、食品表示法では(一部例外はあるが)栄養成分表示が義務化されています。この栄養成分表示はエネルギー、タンパク質、炭水化物、脂質、食塩相当量をこの順番通り記載することとなっています。しかしながら、成分分析依頼をされて送られてきた分析結果に記載されている水分、灰分、ナトリウムまでもが表示されている商品が数件ありましたので、義務の5項目のみ表示するようにしてください。

また、アレルギー表示でよく間違える部分としては「乳」です。「乳」ではなく「乳成分」が正しい表記です。食品添加物で「乳」が使用されている場合は「乳由来」と記載することとなっています。 情報提供として、アレルギー表示で21品目の表示推奨項目の中の「くるみ」が今後表示義務化され義務表示を8項目にすることが消費者庁で検討されています。

また、遺伝子組み換え表示については任意表示ですが、「遺伝子組み換えではない」と表示している商品を行政は定期的に購入し、検査をしています。その検査で「遺伝子組み換え」が検出されても5%以下であれば現在は許されますが、2023年4月以降は例え1パーセントでも入っていれば製品回収に繋がりますのでご注意ください。

「意義・ストーリー展開」をしっかり考えた商品が強くなっていく

○荻野審査員
(主な審査担当部門 デザイン)

昨今コロナの影響で皆様大変だと思います。しかしながら、コロナ終息後もコロナ以前の状態に戻るかというと難しいと感じています。今からの時代は商品にしても会社にしても「なぜ存在するのか」存在意義が重要になってくるのではないかと最近考えています。今後は商品の「意義・ストーリー」をパッケージデザインに活かし、存在意義を消費者へ伝える事が重要だと考えています。また、販路はリアルの店舗からECに移行していく事が予想されECには写真や文章等無限に世界中へ発信できるものなので、今後は「意義・ストーリー展開」をしっかり考えた商品が強くなっていくと考えています。

 

審査会で感じた事は、応募票を拝見すると、応募票に特徴や悩み等何も書かれていなくて商品だけだされているような商品も一部ですがありました。せっかく物がいいのに勿体ないと感じています。この機会に自社商品の存在意義を再確認していただき、考えられる事もいい時期ではないかと考えています。